jQueryとは、John Resigという人によって開発されたJavaScriptの軽量ライブラリです。本家サイトのロゴ(図XX)にもあるように、「Write Less, Do More(もっとシンプルに、もっとたくさんのことを)」がモットーで、これまで煩雑になりがちであったJavaScriptのコードを劇的にシンプルにしてくれます。

その手軽さから、JavaScriptライブラリとしては後発であったものの、急速にユーザ数を伸ばしました。BuildWith(http://trends.builtwith.com/javascript)というサイトの統計では、上位100万サイトの実に過半数までがjQueryを利用していると言いますから、もはやその人気のほどはくどくどと語る必要はないでしょう。いまやJavaScriptで開発を行うのに、jQueryは欠かすことのできない知識なのです。

では、なぜそれだけjQueryが人気を集めたのでしょうか。その理由となる要因をいくつか挙げておきます。

特に最後の点は重要です。jQueryはすぐれた設計思想を持っており、ユーザが拡張機能を実装しやすくなっています。結果、世界中のいたるところでプラグインが提供され、目的特化した機能が何千種類というボリュームで提供されています。プラグインがjQueryを利用したいというインセンティブとなり、そうして集まったユーザがまた、新たなプラグインを生み出していくという相乗効果を産んでいるのです。

本特集では、このjQueryについて解説するものです。もちろん、jQueryのすべてを限られた紙面で扱うことはできません。前半では、jQueryのとっかかりを理解するために必要最小限の(もっと言えば、後半の記事を読むのに必要最低限の)基礎知識を7つのポイントに絞って学びます。その上で、後半ではjQueryプラグインを利用して、どれだけカンタンにどれだけリッチな効果を生み出すことができるかを紹介します。