様々なセレクタやプロパティを追加
CSS3には、CSS 2.1では難しかった高度なビジュアル表現が可能になったり、JavaScriptを使わなければ実現できなかった機能がCSSだけで実現可能になるなど、多くの新機能が仕様に盛り込まれています。具体的には、対象になるHTML要素を指定するためのセレクタや、装飾方法を指定するプロパティなどで多くの新機能が加わりました(表1)。
例えば、角丸でシャドウ付きのボックスをWebページに表示させようとすると場合、従来であれば開発者は、PhotoshopやFireworksなどのグラフィックスソフトを利用して画像データを作成し、それをimg要素や背景画像としてページに埋め込む手順を踏む必要がありました。CSS3を利用すれば、プロパティで角丸とシャドウを指定する2行のコードを記述するだけで済みます。
こうした機能を利用することで、制作者は制作にかかる負荷を軽減できますし、運用担当者はワークフローを効率化できます。発注者やユーザー(閲覧者)にとっては、Webサイト内で使用する画像が少なくなることでパフォーマンスが向上するなどのメリットが得られます。つまりCSS3を利用することで、Webサイトにかかわる、発注者/制作者/ユーザーのすべてにメリットがあるのです。